楽曲の深層に迫る前に、まずは「嘘じゃないよ」がMrs. GREEN APPLEの歴史においてどのような位置づけにあるのか、客観的なリリースデータから整理しておきましょう。
この楽曲が初めて世に出たのは、2015年12月16日に発売されたメジャー1stシングル『Speaking』のカップリング(3曲目)としてでした。当時、大森元貴はまだ19歳。テレビアニメ『遊☆戯☆王ARC-V』のエンディングテーマとして爆発的な知名度を獲得した表題曲『Speaking』の陰で、ひっそりと、しかし強烈な異彩を放っていたのがこのスローバラードです。
その後、ファンの間での圧倒的な支持を受け、2018年4月18日リリースの3rdフルアルバム『ENSEMBLE』の12曲目として再収録を果たします。ビッグバンド風のアレンジや華やかなポップチューンが並ぶ『ENSEMBLE』というアルバムの中で、終盤に配置された「嘘じゃないよ」は、物語の空気を一変させる重要な役割を担っています。
| 項目・リリース区分 | 詳細データ・収録情報 | 楽曲の特徴・音楽的立ち位置 |
|---|---|---|
| 初出シングル | 1stシングル『Speaking』(2015年12月16日発売)M3 | アッパーな表題曲との対比を際立たせる純粋なピアノバラード |
| 収録アルバム | 3rdアルバム『ENSEMBLE』(2018年4月18日発売)M12 | カップリング曲ながら異例のアルバム選抜。終盤の感情的クライマックス |
| 作詞・作曲・編曲 | 大森元貴(全楽曲プロデュース) | 10代後半に書かれたとは思えない老成した死生観・恋愛観の投影 |
| 視点・構造 | 一人称「私」/二人称「貴方」 | 女性視点で紡がれる一方通行の愛と、別れを受け入れるまでの葛藤 |
通常、シングルのカップリング曲はアルバム未収録のまま埋もれてしまうケースも少なくありません。それにもかかわらず、約2年半の時を経て『ENSEMBLE』というメジャーシーンの金字塔的アルバムに組み込まれた事実は、大森元貴をはじめとするメンバー自身がこの楽曲に並々ならぬ思い入れを持っていたことの証左です。