吉柳咲良という名前が全国に轟いたのは、2016年10月のことだった。深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみなど日本を代表する女優を輩出してきた「ホリプロタレントスカウトキャラバン(TSC)」。第41回を迎えた同オーディションのテーマは「PURE GIRL 2016」であり、発掘対象となったのは歴代でも極めて若い世代だった。
当時小学6年生、12歳だった吉柳は、審査員の度肝を抜く。圧倒的な目力としなやかな身体性、そして何よりも年齢を疑わせるほど芯の通った歌声だった。最年少グランプリに輝いた瞬間、審査関係者は「ダイヤの原石というより、すでに独自の光を放つ宝石」と評価した。名門事務所の歴史において、12歳での頂点獲得は前例のない快挙であり、同時に彼女の肩には巨大な期待とプレッシャーがのしかかることとなった。