初代『スプラトゥーン』におけるインクリングのビジュアルは、90年代のスケートボードカルチャーやヒップホップ、パンクロックの空気を強烈に帯びていました。ビビッドな蛍光インクをぶちまけたような背景に、太い輪郭線とコントラストの強いハイライト。ハイカラシティを拠点とするイカたちの表情は、どこか生意気でやんちゃなストリートキッズそのものでした。
このアプローチは『スプラトゥーン2』で洗練されたハイカラスクエアのモダンなスポーツMIXスタイルへとシフトし、さらに『スプラトゥーン3』のバンカラ街において「混沌」をテーマにした再構築を遂げます。衣服のほつれや日焼け、砂埃をまとったテクスチャ表現が加わり、イカたちのシルエットや骨格の描写も格段に豊かになりました。アートディレクターの井上精太氏をはじめとするデザインチームは、ゲームエンジン上の3Dモデルとは一味違う、手描き特有のパッションとストローク感を意図的に残すことで、キャラクターに無二の生命力を吹き込んできたのです。