第48話およびその後の物語を理解する上で最も不可欠なのは、漢字表記の「祈本里香」とカタカナ表記の「リカ」が、呪術構造上まったく異なる存在であるという事実です。
かつて乙骨に取り憑いていた祈本里香は、交通事故死の直前に乙骨が無意識にかけた呪いによって変貌した特級過呪怨霊でした。人間の魂が変容した本物の怨霊であり、底なしの呪力で乙骨の意図を超えた暴走を繰り返す危険な存在でした。しかし、0巻の終盤において乙骨が結んだ主従の契約と解呪の儀式を経て、祈本里香の魂本体は完全に成仏しています。
では、現在乙骨の傍らにあるものは何なのか。それは、里香が成仏する際に乙骨自身へ遺していった「器」であり、乙骨の生得術式に連動した式神です。公式ファンブックや本編の言及でも明確に区別されており、現在の彼女は意思の残滓を宿した超高精度の自律型兵器とも呼べる機構へと変化しています。
| 比較項目 | 特級過呪怨霊「祈本里香」(0巻) | 外付け式神「リカ」(第48話〜死滅回游) |
|---|---|---|
| 存在の本質 | 人間の魂が呪縛された本物の怨霊 | 里香の魂が成仏後に遺した呪力の器(式神) |
| 呪力の源泉 | 無限とも評された底なしの呪力塊 | 乙骨自身の呪力備蓄庫・術式の保管庫 |
| 制御と発動条件 | 感情に連動し暴走リスクが極めて高い | 婚約指輪を通じた接続、完全顕現は5分間の制限 |
| 表記の使い分け | 祈本里香 / 里香 | リカ(カタカナ表記) |