「あゝ無情」の普遍的な生命力は、近年の再評価の波からもはっきりと証明されています。象徴的だったのが、シンガー・JUJUによる本格的なカバーです。2023年、彼女の人気カバー企画「スナックJUJU」プロジェクトの一環として「あゝ無情」がリリースされ、ミュージックビデオに俳優の吉田栄作氏が出演したことでも大きな話題を呼びました。JUJUが表現した洗練された大人の哀愁とリスペクトに満ちた歌唱は、同曲がスナック文化のアンセムであると同時に、タイムレスな名曲であることを再確認させました。
また、カタログの再検証も急速に進んでいます。ビクターエンタテインメントからは、アン・ルイスが1972年から1977年にかけて発売した初期アルバム全7枚が、ファン待望の紙ジャケ仕様で一挙初復刻されました。デビュー曲「白い週末」をはじめとするアイドル歌謡期の作品群は、長らく廃盤状態が続いていたため、今回の復刻によって「アイドルから歌謡ロックの女王へと登り詰める進化のプロセス」が克明に可視化されることとなりました。