富士急ハイランド本社の仕掛けるIP戦略は、サンエックスのような常設エリア開発だけに留まりません。注目すべきは、機動的かつ多角的なポップカルチャー・企業アライアンスです。
その代表例が、世界的ボーイズグループStray Kidsの公式キャラクター「SKZOO」とコラボレーションした夜間花火ショーや、ネスレ日本とのタイアップ企画です。SKZOOのイベントは、K-POPカルチャーのコア層であるZ世代の女性たちを富士の麓へと力強く牽引しました。昼間はパーク内のフォトスポットでぬい撮りを楽しみ、夜は迫力ある花火ショーとシンクロした音楽に熱狂する――。この導線によって、従来型の絶叫ファンとは完全に別軸の消費行動が成立しています。
さらに、食品大手ネスレとのタイアップなど、企業ブランドとのクロスオーバーも加速。アトラクションの待ち時間を心地よい試飲・試食体験に変え、スポンサー企業のブランド価値向上とパークの滞在満足度向上を両立させています。IPを「単なる集客の客寄せパンダ」ではなく、「パーク内の滞在価値を底上げするコンテンツ基盤」としてフル活用するマーケティング手腕が光ります。