立花胡桃の半生を語る上で欠かせない象徴が、自伝小説を原作として実写映画化された『ユダ』(2013年公開)です。本作のプロモーションにおいて世間の目を釘付けにしたのが、アクセサリー総額3000万円相当を身に纏った妖艶かつ挑戦的なビジュアルポスターでした。高級ダイヤモンドや貴金属の冷たい輝きは、札束と欲望が飛び交う夜の歓楽街で、孤独に戦い続けたヒロインの虚飾とプライドを見事に象徴していました。
本作のオーディションを勝ち抜き、立花胡桃をモデルとした主人公・絵里香役を射止めたのが実力派女優の水崎綾女です。水崎は役にリアリティを宿すため、過酷な食事制限とトレーニングにより1ヶ月で10キロの減量を敢行。「デビュー8年の集大成」と位置付けた体当たりの熱演は、原作者である立花本人も高く評価するほどの完成度を誇りました。
映画公開に合わせて行われた「伝説のキャバ嬢総選挙」といった大規模なプロモーションも奏功し、作品は単なる水商売映画の枠組みを超えて、組織の力学や人間の醜い本性を描いたダークピカレスクロマンとして大きな反響を呼びました。