『名探偵コナン』において、七夕というモチーフは単なる季節のイベントにとどまりません。原作で恋人同士となった工藤新一と毛利蘭ですが、新一は黒ずくめの組織の毒薬によって幼児化し、コナンの姿で蘭の隣にいながらも「本当の姿で触れ合うこと」は叶いません。
天の川によって隔てられ、年に一度しか会うことが許されない織姫と彦星の伝説は、物理的に至近距離にいながらも正体を隠し続けなければならない新一と蘭の「心理的・肉体的な距離感」と痛切に重なり合います。ネット上のファンコミュニティでは、コナンが彦星として描かれている点について深い考察が交わされています。
「新一の姿ではなくコナンとして隣に立っているからこそ、触れ合えない切なさが際立つ」「一番近くにいるのに遠い存在という、作品最大のアイロニーが織姫と彦星の構図に昇華されている」といった意見が目立ちます。公式があえてこの2人を織姫と彦星に見立てることで、単なるファンサービスを超えた物語の核心的なエモーションを呼び起こしているのです。