テレビや雑誌で大活躍する料理研究家・きじまりゅうた氏は、食材の特性を活かした論理的なアプローチを提唱しています。きじま流の基本では、トマトを切る際に「包丁の刃先を皮に引っ掛けるように手前へ引いて切る」という包丁操作が強調されます。皮の表面は張りがあり滑りやすいため、真上から押し潰すように切ると果汁が圧迫されて破裂してしまうからです。
さらに、SNSで100万回以上再生され一大ブームを巻き起こした和食料理人の「塩トマトごはん」や、芸能人がこぞって再現するトマトの炊き込みご飯では、あえてヘタの取り方に工夫を凝らし、丸ごと、あるいは大胆な十字カットを施す手法が採用されています。
炊飯器の中央に配置する場合、浅く十文字の切り込みを入れておくことで、加熱中に皮が自然に破れ、米全体にトマトのグルタミン酸と適度な酸味が均一に行き渡ります。加熱用の料理において「種や果汁をしっかり出す」ことは、調味料に頼らず素材本来の力強いコクを引き出す最良の隠し味となるのです。