インターネット上のレシピ集やSNSの投稿では、「なすは必ず水にさらしてアク抜きをしなければならない」と書かれているケースが多く見られます。しかし、これは現代の流通事情においては必ずしも正しくありません。
鮮度の高いなすはアク(ポリフェノール類)のえぐみが少なく、切ってすぐに調理する場合は水にさらす工程を省いても味に大きな影響はありません。むしろ、水にさらすことでなすの表面に余計な水分が残り、それが肉だねの剥がれを引き起こす直接の引き金になってしまうという本末転倒な事態が生じます。もし水にさらす場合は、キッチンペーパーで断面の水分を完全に吸い取る作業を徹底しなければなりません。
また、「豚ひき肉の代わりに鶏ひき肉を使うとヘルシーになる」という情報も頻繁に見かけますが、脂質の少ない鶏むね肉のひき肉をそのまま使うと、蒸し焼きにしてもパサつきが目立ちやすくなります。鶏ひき肉を採用する場合は、肉だねに絹ごし豆腐を少し混ぜるか、キユーピーの知恵にもあるようにマヨネーズを小さじ1程度忍ばせることで、しっとり感を補うのが失敗を防ぐ賢い選択です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
なすのはさみ焼きは非常に完成度の高いおかずですが、調理にかかる手間や求める栄養バランスによって相性が分かれます。
【向いている人】
野菜が苦手な家族にしっかり食物繊維を摂らせたい人や、豚ひき肉のコクを活かして満足感のある主菜を低コストで作りたい人には最適です。また、まとめて焼いて冷凍保存しておく「作り置きおかず」としての適性も非常に高く、朝の調理時間を削りたい家庭にとっては強力な味方になります。
【慎重になるべき人】
調理工程において「切る・粉をまぶす・捏ねる・挟む・蒸し焼きにする」という複数ステップが発生するため、平日夜の調理時間を10分以内に抑えたいワンアクション調理を求める人にはハードルが高く感じられる可能性があります。超時短を重視する場合は、前述の「重ねて一気に焼くワンパン方式」を採用するか、無理をせずコンビニの高品質なチルド惣菜を選択するのが合理的です。