鬼殺隊の剣士が持つ「日輪刀(にちりんとう)」は、持ち主の適性によって刀身の色が変化する「色変わりの刀」として知られています。竈門炭治郎の刀が「漆黒」であるのに対し、霞柱である時透無一郎の日輪刀は、朝霧や霞を思わせる美しい「白色(白銀)」の刀身を持っています。
無一郎の日輪刀には、刀鍛冶の変遷と彼自身の精神的成長が深く刻まれています。
- 初代担当刀鍛冶・鉄井戸(てついど)の遺作:心臓の病を抱えながらも無一郎のことを誰よりも案じていた老刀鍛冶・鉄井戸が打った刀。「刀鍛冶の里編」の中盤、上弦の伍・玉壺の血鬼術「水獄鉢」から脱出する際、すでに刃こぼれしていた刀身が限界を迎え折れてしまいます。
- 二代目担当刀鍛冶・鉄穴森鋼蔵(かなもり こうぞう)の新刀:記憶を取り戻した無一郎に、鉄井戸の技術と想いを引き継いだ鉄穴森が渡した新たな日輪刀。この刀によって、無一郎は「漆ノ型 朧」を完成させ、単独で上弦の伍・玉壺の頚を斬り落とす快挙を成し遂げました。
- 鍔(つば)の造形と「惡鬼滅殺」の文字:鍔は四隅が切り欠かれた「隅切り角(すみきりかく)」が二重に重なったような幾何学的で洗練された金色(山吹色)のデザインとなっており、柱の証である「惡鬼滅殺」の四文字が刀身に刻まれています。
- 最終局面での「赫刀(かくとう)」化:物語の最終盤、上弦の壱・黒死牟(こくしもう)との死闘において、無一郎は片腕と片足を失う致命傷を負いながらも、万力の握力で刀を握りしめ、白銀の刀身を灼熱のような赤色へと変える「赫刀」を発現させます。この赫刀の一撃が黒死牟の再生を阻害し、鬼殺隊の勝利を手繰り寄せる決定打となりました。