ネット上の掲示板やSNS(ガルちゃんやYouTubeのファッション解説など)で「ダサいスニーカー」の文脈にキャンパスが引き合いに出されるケースを分析すると、靴単体の欠陥ではなく、履きこなす側の環境やスタイリングに起因する3つの要因が浮かび上がってきます。
第一に、「学生靴・量販店スニーカー」としての固定観念です。キャンパスは80年代のバスケットボールシューズとして誕生し、ヒップホップグループのビースティ・ボーイズらに愛用されてカルチャーアイコンとなりました。しかし、日本国内では長年ABCマートなどの量販店で手頃な定番モデルとして広く普及したため、「中高生が制服や私服で適当に履いていた靴」という既視感を持つ層が少なくありません。この日常感が、過度なトレンドを求める視点から「無難すぎてダサい」と誤解される一因です。
第二に、スエード素材の経年劣化とお手入れ不足が挙げられます。キャンパスの代名詞であるピッグスキンスエードは、手入れが行き届いていれば極めて上品なマット感を放ちます。ところが、ブラッシングや防水スプレーを怠ったまま雨の日に履き潰すと、毛足が潰れて黒ずみ、全体がくたびれた印象に直結します。清潔感を欠いた足元は、どんなコーディネートも一瞬で台無しにしてしまいます。
第三が、「キャンパス 80s」と「キャンパス 00s」のシルエット混同です。現在市場で流通しているキャンパスには、スマートでクラシックな「80s」と、2000年代のスケートボードカルチャーを反映したぽってり厚底の「00s(ゼロズ)」が存在します。この2つのキャラクターは正反対であるにもかかわらず、名前だけで購入して不適切なパンツを合わせてしまい、足元だけが浮いてしまう失敗が後を絶ちません。