甥っ子は親密な関係になりやすい存在ですが、法律上の権利と義務には明確な境界線が引かれています。
まず相続権に関して、甥っ子は原則として第1順位(子ども)、第2順位(直系尊属=親)が存在する限り、法定相続人にはなれません。甥っ子が相続人となるのは極めて限定的なケースのみです。
具体的には、「被相続人に配偶者以外の直系卑属(子・孫)がおらず、両親や祖父母もすでに他界しており、第3順位である兄弟姉妹が本来相続人になるはずの状況で、その兄弟姉妹がすでに死亡している場合」に限られます。このとき、甥っ子は「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」によって親の相続権を引き継ぎます。
次に扶養義務についてですが、民法第877条第1項により、直系血族および兄弟姉妹は互いに扶養義務を負います。しかし、三親等である甥っ子に対する扶養義務は原則として存在しません。家庭裁判所が「特別な事情」を認めた場合に限り、三親等内の親族にも扶養を命じることができる(民法第877条第2項)と定められていますが、これは極めて例外的な措置です。