この混乱が浮き彫りにしたのは、南アフリカという国家が抱える複雑な社会構造そのものである。2010年大会が象徴した「レインボー・ネーション(虹の国)」の団結というスローガンは、貧困、治安悪化、汚職という根深い現実の前に試練を受け続けている。
バファナ・バファナは単なるスポーツチームではない。アパルトヘイト崩壊以降、国民統合の象徴として希望を背負わされてきた存在だ。だからこそ、ピッチでの勝利と凄惨な現実の狭間で揺れる現在の状況は、国民の心に深い影を落としている。悲劇の真相解明なくして、真のフットボールの復興はあり得ない。