調剤薬局で処方される粉薬(散剤)の袋には、「〇〇散 1g」あるいは「主成分 100mg」といった表記が混在します。ここに一般の生活者が最も陥りやすい落とし穴が潜んでいます。
処方薬において、「製剤全体の重量」と「有効成分の含有量」は一致しないことが多々あります。例えば、有効成分が10%含まれる散剤(10倍散)の場合、薬全体の重さが1g(1000mg)であっても、身体に作用する主成分は100mgしか含まれていません。残りの900mgは乳糖などの賦形剤(かさ増しや味の調整のための成分)です。患者自身や介護者が「主成分50mgを飲ませるために薬を半分に分ければいい」と自己判断し、賦形剤の比率を無視して目分量で分割してしまうと、想定外の過量投与や薬効不全を招く危険性があります。