成人と異なり、子供にトゲが刺さった場合は恐怖心によるパニックが処置を著しく難しくします。針やピンセットを見ただけで暴れてしまい、予期せぬ体動によって器具が深く刺さる事故も多発しています。
子供の処置における最優先事項は「痛みと恐怖の緩和」です。まず、患部を数分間ぬるま湯に浸して皮膚を柔らかくします。入浴直後などは角質が水分を含んで膨張し、トゲの頭が自然と外側へ顔を出しやすい状態になっています。また、保冷剤をタオルで包んで患部に1, 2分間当てることで局所を麻痺させ、痛覚を一時的に鈍らせる手法も極めて有効です。
痛みを伴わない裏ワザとして、トゲの先端がわずかに表皮に出ている段階であれば、医療用の粘着テープやサージカルテープを患部にしっかりと貼り、トゲが抜ける方向へ一気に剥がす方法があります。ただし、粘着力の強い工業用テープは皮膚剥離を起こすため絶対に使用してはいけません。子供が嫌がって激しく抵抗する場合は、家庭での処置を即座に中断し、小児科や皮膚科のプロフェッショナルに委ねる決断が不可欠です。