訪れる客の実に8割以上が注文するのが、タイ料理ランチの金字塔である「カオマンガイ」と「ガパオライス」です。日本向けに過度に甘く調整されたタイ料理とは一線を画し、香辛料とハーブの輪郭を鮮明に残している点が人気の秘密です。
カオマンガイ(茹で鶏の炊き込みご飯)は、鶏の旨味を余すところなく吸い込んだジャスミンライスが圧巻の仕上がりです。しっとりと火入れされた大山鶏の柔らかさと、生姜、ニンニク、青唐辛子、タオチオ(タイの液状みそ)を絶妙な比率で配合した黒い特製ダレが絡み合います。一口食べるごとにパンチのある風味が口内に広がり、卓上の調味料で辛味を微調整しながら楽しめます。
一方のガパオライス(鶏粗挽き肉のホーリーバジル炒め)は、容赦のない強火で炒められたホーリーバジルの爽快な香気と、唐辛子のキレのある刺激が特徴です。細かく挽きすぎない粗挽き肉の弾力ある歯ごたえに、縁がカリカリに揚げ焼きされた半熟目玉焼き(カイダオ)の黄身を崩して絡めると、濃厚なコクと激しい辛味が見事な調和を見せます。価格帯はいずれも900円〜1,100円前後と、都心のランチ相場において極めて良心的な設定を保っています。