下茹でによって柔らかく脂が抜けた豚肉は、極めてデリケートな状態にある。ここから強烈な加圧を長時間かけ続けたり、いきなり濃すぎる煮汁で煮詰めたりすると、角が取れて形が崩れる煮崩れ防止の観点から完全に逆効果となる。
味付けのベースとなる調味料は、誰が作っても味がブレない黄金比を採用する。基本配合は以下の通りだ。
- 醤油:大さじ4(60ml)
- 酒(清酒):大さじ4(60ml)
- みりん:大さじ4(60ml)
- 砂糖(上白糖または三温糖):大さじ2(30g)
- 出汁(または下茹での上澄みスープ):300ml
比率で言えば「醤油 2:酒 2:みりん 2:砂糖 1」である。みりんに含まれるアルコールと糖分は肉の表面を引き締め、長時間の加熱による過度な煮崩れを防ぐ役割を果たす。本煮込みの工程では、まず肉と酒、みりん、砂糖、出汁を入れて短時間煮込み、甘みを先に肉へ浸透させる。塩分の強い醤油は最初から全量を入れず、加圧直前または加圧後の煮詰め段階で加えることで、筋繊維が硬く縮む現象を最小限に抑え込むことができる。