金柑加工で最も骨が折れるのが、無数に入り組んだ小さな種を取り除く工程です。実を適当に刻んでから指先でほじくり返そうとすると、果汁が逃げるだけでなく、潰れた種から新たな苦味が溶け出してしまいます。プロが実践するアプローチは、金柑の内部構造に合わせた合理的なカッティングです。
最も推奨される手法は、茹でこぼしを終えた金柑を「横半分(赤道面)」に包丁でスライスする方法です。金柑の種は果実の中心軸に沿って放射状に密集しているため、横に真っ二つに割るだけで、ほぼすべての種が断面に露出します。露出した種を竹串の先やつまようじで軽く外側へ弾くだけで、果肉を傷つけずにわずか数秒で除去可能です。
果肉感を大きく残したいコンフィチュール仕立てにする場合は、ヘタ側から縦に4本から6本の浅い隠し包丁を入れ、親指で果実を軽く押しつぶすように揉み込みます。割れ目から種が押し出されてくるため、これをピンセットや箸で抜き取れば、果実の丸いフォルムを美しく保ったまま下処理を完了できます。