葛西臨海水族園を象徴するのが、建築家・谷口吉生氏の設計による巨大なガラスドームである。海抜30.7メートルの高さから東京湾を見渡すこのモニュメント周辺では、外周を覆う人工水盤(噴水池)の設備改修が完了した。水面と遠くの海がシームレスにつながる「インフィニティエッジ」の視覚美が完全に取り戻されている。
エスカレーターでドーム下層の暗闇へと降り立つと、園の心臓部であるクロマグロ大水槽(大洋の航海者)が現れる。かつての大量死事故を乗り越え、飼育技術の革新と水槽壁面の衝撃吸収ライニング設置を経て、現在は数百匹規模のクロマグロが時速数十キロで回遊を続けている。銀色に輝く魚体が光を受けて渦を巻く姿は、生物学的な神秘だけでなく、水族館スタッフの飽くなき努力の到達点を示している。