双葉郡富岡町のコンビニエンスストアは、単なる小売店を超えた「復興インフラ」としての重責を担ってきた。2017年に一部エリアの避難指示が解除されて以降、住民の帰還や除染・廃炉作業を後方支援してきたのは他ならぬ大手コンビニの明かりだった。
震災直後、富岡町周辺では夜間営業を取りやめ、朝から夕方までの短縮営業を余儀なくされた時期もあった。流通網の寸断、地元雇用の確保の難しさ、夜間人口の少なさなど、平時では考えられない経営課題が山積していたためだ。しかしインフラの回復とともに徐々に営業時間を拡大し、現在では24時間営業を維持する店舗が主流となっている。
富岡町内では周辺コンビニの絶対数が都市部に比べて限られており、特定の店舗に作業員の需要が集中する。そうした過酷な環境下で磨かれたスタッフのオペレーション能力や手厚い品揃えが、長距離ドライバーの口コミを通じていわき小浜町店の利便性と結びつき、「浜通りのローソンは頼りになる」という評判を形作っていったのである。