映像作品の再放送を困難にするもう一つの要因が、劇中で使用された音楽の権利処理です。『ランチの女王』では、スリー・ドッグ・ナイトの「Joy to the World(喜びの世界)」がオープニング主題歌として印象的に使用されていました。さらにサウンドトラックには海外の名曲やオーケストラアレンジが随所に散りばめられています。
日本の国内楽曲であればJASRACの包括許諾契約によって比較的スムーズに処理できますが、洋楽原盤の放送権・配信権は海外のレコード会社や音楽出版社が管理しています。二次利用の期間延長や再許諾を行う際、為替相場の変動や海外権利者の許諾ポリシー変更により、巨額の追加ロイヤリティが発生するケースが珍しくありません。地上波での再放送を見送る一方で、契約内容が整理された国内定額制配信やセルDVDに販路を絞らざるを得ない構造的理由がここにあります。