物語の要となるアンティークショップ「地球屋」。祖父・西司朗が営むこの空間は、雫と聖司にとって日常の息苦しさから逃れられる唯一のシェルターでした。猫の人形・バロンをはじめ、不思議な工芸品に囲まれた地球屋は、自己表現と創作への挑戦を後押ししてくれる聖域です。
アニメ版において、地球屋で雫が「カントリー・ロード」を歌い、聖司がバイオリンを奏でる場面は、日本アニメーション史に残る名シークエンスとなりました。しかし実写版では、10年の歳月を経て地球屋を訪れた雫に対し、西司朗(小林薫)が温かくもどこか切ない眼差しを向けます。大人になるにつれて失われていく「純粋な情熱」を地球屋という空間が静かに問いかけてくるのです。過去の甘美な思い出が宿る場所だからこそ、現実の雫にとっては自らの不甲斐なさを突きつけられる試練の場でもありました。