大吉が脱サラして築き上げた「お食事処おかくら」は、シリーズ終盤における最大の火種でした。節子の急死後、大吉は娘たちや店を支える従業員とともに店を切り盛りしていましたが、大吉自身の急逝によって広大な敷地を持つ店舗兼自宅の遺産分割問題が一気に噴出します。
不動産価値の高騰もあり、法定相続分通りの均等分割を主張すれば、店舗を売却して現金化するしかありません。店を手放したくない長子と、自身の生活防衛や事業資金のために遺産分与を期待する姉たちの間で緊張が走りました。特に、経済的苦境にあった時期の文子や、幸楽の改修資金を巡る五月の立場が複雑に絡み合いました。
しかし、最終的に大吉が遺していた意思、そして青山タキ(野村昭子)や板前・壮太(長谷川純)といった「血縁を超えて店を支えてきた人々」の生活を守るため、姉たちは実質的に相続権の強硬な主張を取り下げます。長子が店舗不動産と岡倉の看板を引き継ぎ、英作とともに実家を守る形で決着を見ました。