『名探偵コナン 水平線上の陰謀』が公開から20年以上を経てもなお傑作と称される理由は、コナンという絶対的な名探偵の存在感を保ちながら、毛利小五郎という人間臭いキャラクターの魅力を極限まで引き出した点にあります。
普段の自堕落でコミカルな姿は、警察組織の第一線で修羅場をくぐり抜けてきた男の「仮面」に過ぎないのではないか――そう観客に思わせるほどの洞察力と重厚なドラマ性が本作には凝縮されていました。妻・妃英理への揺るぎない想いが最高の推理エンジンとなり、愛する者を守るために拳を振るう小五郎の姿は、劇場版シリーズが到達した珠玉の人間讃歌として、今もファンの胸を打ち続けています。