民間譲渡を受けたSHAKOTAN GO代表陣が直面したのは、入浴料収入だけに依存した従来のビジネスモデルの脆弱さでした。冬場の積雪期には観光客が激減し、暖房・融雪コストだけが跳ね上がるという季節格差が経営を圧迫していたためです。
チームが打ち出した再建計画の柱は、「日帰り温泉」から「滞在と消費を生む複合温浴施設」への業態変革でした。まずは温泉設備の改修と同時に、施設内のラウンジや飲食エリアを刷新。地元食材を使ったカフェバーの設置や、屋外スペースを活用したサウナイベントなど、若年層や道外からのトラベラーを惹きつけるコンテンツを次々と投入しました。
2023年8月には、地域外のテレワーカーやクリエイターを対象とした「温泉入り放題ワーケーション制度」を試験導入。高速Wi-Fiと作業スペースを整備し、長期滞在しながら入浴できる環境を提供することで、平日の閑散期需要を掘り起こしました。ただ湯に浸かる場所ではなく、絶景を借景にしたコワーキング環境を提示したことで、都市部からリモートワーカーを継続的に呼び込む循環が生まれたのです。