テレビ局が保有するアーカイブ映像は、単なる番組制作のためのフリー素材ではありません。昭和の高度経済成長期から安定成長期にかけて、日本の大衆文化を牽引し、人々の生活リズムそのものを形作った貴重な映像民俗資料です。ザ・ドリフターズが残した数々のコントは、海外のチャールズ・チャップリンやバスター・キートンのサイレント映画と同じく、時代を超えて普遍的に通用する身体芸術の域に達しています。
名画や古典文学に勝手な落書きや注釈を太字で上書きしないのと同様に、完成された歴史的映像には最低限のリスペクトが払われるべきです。現代の演出技術を誇示するのではなく、無駄な装飾を削ぎ落とし、オリジナルマスターが持つ圧倒的な熱量をそのまま提示することこそが、いまテレビメディアに最も求められている矜持といえます。