「この空を飛べたら」は、加藤登紀子という稀代のシンガーによって大ヒットを収め、大衆の記憶に深く刻まれました。しかし、作詞作曲者である中島みゆき本人の喉を通して放たれたテイクに触れることで、この楽曲が本来秘めていた哀切と文学性の深淵に初めて辿り着くことができます。
サブスク全盛の現代において、少しだけCDや単曲配信に手を伸ばす手間はかかりますが、それだけの価値を持つマスターピースです。静まり返った夜、ヘッドフォンを装着して耳を傾ければ、鳥のように飛べない人間の不器用な魂を肯定する、中島みゆきならではの圧倒的な言霊が胸に迫ってくるはずです。