『ザ・ベストテン』が歴代のTBS音楽番組のなかでも別格とされる最大の理由は、最高視聴率41.9%(1979年9月13日放送回)という驚異的な記録だけではありません。番組を牽引した久米宏さんと黒柳徹子さんによる、機関銃のような猛スピードの掛け合いが生み出す圧倒的な熱量にありました。
当時、歌番組といえば司会者が恭しく歌手を紹介し、整然と歌ってもらう形式が主流でした。しかし『ザ・ベストテン』は違いました。久米さんの軽妙洒脱かつ鋭いツッコミと、黒柳さんの天衣無縫でマシンガンのようなトーク。二人のやり取りの多くは台本に頼らないアドリブであり、1秒刻みで進行する生放送の緊張感のなか、予定調和を破壊するスリルがお茶の間を釘付けにしたのです。