二人の関係性を語る上で外せないのが、定食屋コントと並ぶ金字塔である「芸者コント」です。白塗りメイクに艶やかな着物を身にまとい、愚痴とボヤキを延々と垂れ流す年増芸者の掛け合いは、『志村けんのバカ殿様』などでも定番の人気シリーズとなりました。
定食屋コントと芸者コント、それぞれの構造と笑いの本質を比較すると、二人が追求した「喜劇の幅」が鮮明に浮かび上がります。
| 演目名 | キャラクター設定と構図 | 笑いの核・アプローチ |
|---|---|---|
| 定食屋コント(カツカレー等) | 常識的な一般客(志村)× 予測不能で耳の遠い店主(柄本) | 日常のズレ、緊迫感あふれる「間」、リアルな吹き出しと焦燥感 |
| 年増芸者コント | 白塗りのベテラン芸者同士(志村・柄本) | 世間へのボヤキ、同調圧力と裏切り、 grotesqueness(異形さ)と哀愁 |
| となりのシムラ(NHK) | 中年サラリーマン、市井の小市民 | 誇張を排した自然体の演技、人間の哀しさと表裏一体のペーソス |
派手なメイクで様式美を極めた芸者コントに対し、定食屋コントは徹底して「素の人間」に近いリアリズムで展開されます。この両極端を同じ二人が演じ分け、どちらも日本一の笑いに昇華させていた点に、志村さんと柄本さんの底知れぬ実力があります。