30年以上にわたるシリーズのなかでも、ななこおねいさんとしんのすけの心の交流を切り取ったエピソードはファンの間で「神回」と称賛されています。ここでは特に支持が高い名作回をピックアップします。
1. ひと夏の甘酸っぱい奮闘劇『海の家のななこおねいさんだゾ(前編・後編)』
テレ朝系地上波や配信で大きな反響を呼んだ前後編構成のスペシャル回。海水浴場へやってきた野原一家が、海の家でアルバイトをしているななこおねいさんと偶然再会することから物語が始まります。しんのすけは彼女を喜ばせようと必死にお手伝いに励みますが、そこに立ちはだかるのが、変装して娘の監視に現れた父・大原四十郎です。水着姿の客に声をかけるチャラ男たちから娘を守ろうと暴走する父親と、ななこおねいさんの笑顔を守るために奮闘するしんのすけ。ドタバタ劇のなかに、少年が抱く小さな騎士道精神が鮮やかに描かれた屈指の傑作です。
2. 純粋なモチベーションの尊さ『ななこおねいさんと体操だゾ』
夏休みの朝、普段なら布団から這い出すことすら億劫がるしんのすけが、ななこおねいさんがラジオ体操に参加すると知った途端、誰よりも早く飛び起きて公園へ向かうという日常回。大好きな人の存在がいかに子どもの行動力を劇的に変えるかという、極めてリアルで愛らしい心理描写が光ります。ふたりで並んで体を動かす何気ない瞬間の幸福感は、視聴者からも「尊すぎる」「幼少期の初恋を思い出す」とSNS上で絶賛されました。
3. すれ違いと無償の愛『ななこおねいさんをエスコートするゾ』ほか初期の名作群
街中でばったり会ったななこおねいさんを、大人の男としてエスコートしようと背伸びするしんのすけ。トラブルに見舞われながらも、最後にはななこおねいさんからの温かい感謝の言葉とスキンシップによって報われる構成は、シリーズ初期からの王道パターンでありながら色褪せない感動を届けてくれます。