ちまたで噂される「クレヨンしんちゃんの都市伝説」は本当に実話や公式設定なのか?最も知名度が高いのが、いわゆるしんのすけ死亡説(別名:みさえの幻覚説)です。この噂のあらすじは、「5歳になる直前のしんのすけが、妹のひまわりを交通事故から庇って死亡した。悲しみに暮れた母・みさえが、遺品のクレヨンを使って『もしもしんのすけが生きていたら』という妄想をノートに描き綴ったものが本作である」というものです。
Ciatr等のメディアによる都市伝説まとめでも筆頭に挙げられるこの説ですが、作品を初期から追っている関係者や公式記録を照らし合わせると、明白な矛盾が浮かび上がります。そもそも1990年に『漫画アクション』で連載が開始された当初、妹のひまわりはまだ誕生しておらず、しんのすけは一人っ子として描かれていました(ひまわりの誕生は1996年)。つまり「ひまわりを庇って死んだ」という前提自体が時系列として成立しないのです。
【公式発表】タイトル『クレヨンしんちゃん』の本当の由来
さらに決定的な証拠となるのが、タイトルに冠された「クレヨンの由来」に関する公式記録です。みさえの遺品説を完全に覆す事実として、双葉社の当時の担当編集者であった林氏が後のインタビューや公式関連書籍で経緯を明かしています。
連載立ち上げ時、原作者の臼井儀人氏が最初に提案したタイトル案は『しんちゃん』というシンプルなものでした。しかし編集部内で「もう少しインパクトと語呂の良さが欲しい」という議論になり、幼稚園児を象徴するアイテムとして「クレヨン」を冠した『クレヨンしんちゃん』という名称が編集側から提案され、採用に至ったのです。つまり、作中にクレヨンが頻繁に登場しないのは悲しい裏設定があるからではなく、単なるネーミング上の演出だったという事実が確認されています。