高梨選手の変身を語るうえで外せないのが、国内化粧品最大手である資生堂とのスポンサー契約です。2016年、当時20歳を迎えた彼女に対し、同社は日焼け止めブランド「アネッサ」などを通じたビューティーサポートを開始しました。
過酷な雪山で紫外線や冷風に晒されるスキージャンプ競技において、スキンケアは肌を守る死活問題です。資生堂の専属アーティストからベースメイクやパーツメイクの手ほどきを受けた彼女は、かつてのインタビューで「メイクをすることでオンとオフのスイッチが切り替わる」「戦うための戦闘服のようなもの」と語っています。
かつての日本スポーツ界には「アスリートは化粧などせず競技に専念すべき」という前時代的な偏見が存在していました。しかし高梨選手は、競技成績を維持しながら自らの美を追求する姿勢を崩しませんでした。外見を磨くことが自信へとつながり、過酷なスキージャンプ台のスタートゲートに向かうメンタルの支えとなっているのです。