ベランダ環境は高層階になるほどハチなどの送粉昆虫が飛来しにくいため、自然交配に頼ると雌花が実を結ばずに黄色くなって脱落してしまいます。確実な結実には、人の手による人工授粉が欠かせません。
人工授粉は、花粉の活性が最も高い晴れた日の早朝(遅くとも朝9時まで)に行うのが鉄則です。花びらの根元が膨らんでいるのが雌花、何もないのが雄花です。咲いたばかりの新鮮な雄花を摘み取り、花びらを後ろに反らせて露出させた雄しべ(葯)を、雌花の柱頭に優しくポンポンと均一に擦り付けます。この際、受粉させた日付を記した耐水性の園芸ラベルを着果節に結びつけておくことが、後の収穫期判断で決定的な意味を持ちます。
収穫の適期は、以下の客観的なサインを複合的に観察して判断します。
- 受粉後日数の到達:小玉スイカの場合、受粉成功日から積算でおよそ35〜40日が収穫の目安となります。
- 巻きひげの枯れ:果実がついている節から伸びている「巻きひげ」が、根元から先端まで完全に茶色く枯死しているかを確認します。これが完熟の最も信頼性の高い生理的シグナルです。
- 果皮の艶と打音:果皮の縞模様がくっきりと浮き出て表面の凹凸がはっきりし、軽く叩いたときに濁った「ボンボン」という重い低音が響けば、まさに食べ頃を迎えた証拠です。
なお、空中栽培で実がソフトボール大以上に育ってきたら、重みでつるが折れないよう、みかんネットや古いストッキングで果実を包み、支柱のしっかりしたフレームから吊り下げて重量を分散させてください。