ここで、初めてStray Kidsのリノに触れる層が抱きがちな「ある誤解」を解いておく必要があります。写真や短い動画だけを見た人々の間では、リノに対して「最初からエリートコースを歩んできた、クールで完璧主義なビジュアルメンバー」という先入観が持たれることが少なくありません。
しかし、彼のキャリアを紐解くと、その実態は極めて泥臭く、人間味あふれる努力の積み重ねであることがわかります。
リノはJYPエンターテインメントに入所する前、BTS(防弾少年団)のバックダンサーとしてワールドツアーに帯同していた経歴を持ちます。当時の特番インタビューや本人の回想によると、「ステージの後ろで踊りながら、いつか自分もスポットライトを浴びる中央に立ちたいと強く思った」と語っており、プロのダンサーとしてのキャリアを一度リセットして、再び練習生としてゼロからスタートする決断を下しました。
さらに、デビューサバイバル番組『Stray Kids』では、一度は脱落という過酷な試練を経験しています。現在の「どんなコンセプトも完璧に消化する表現力」や「メンバーを後ろから静かに支える包容力」は、こうした挫折と下積み時代を経て獲得されたものです。ネット上で時折語られる「冷たそう」「ツンデレ」という表面的なキャラクター像は、実は照れ隠しや独自のユーモアセンス(あえて素っ気ない態度をとることで場の空気を和ませる彼なりの配慮)であり、本質は非常に情に厚い努力家であるという点が、彼を深く知る上で外せない視点です。