物語の前半、瀧が友人たちと過ごす大都市・東京の情景は、実在するランドマークや飲食店、通学路が克明にトレースされています。まずは都内で訪れるべき中核スポットを解説します。
1. 須賀神社の階段(東京都新宿区須賀町)
物語のラストシーン、成長した瀧と三葉がすれ違いざまに「君の名前は――」と声を掛け合う映画史に残る名場面の舞台です。須賀神社の参道にある「男坂」と呼ばれる赤い手すりの階段は、映画のメインポスタービジュアルの構図そのものです。階段の上から四谷三丁目方面を見下ろすアングルで画角を合わせると、劇中の空気感を正確に切り取ることができます。閑静な住宅街に位置しているため、近隣住民のプライバシーに配慮した静粛な撮影が求められます。
2. カフェ ラ・ボエム 新宿御苑(東京都新宿区新宿)
瀧が放課後にウェイターとしてアルバイトをし、憧れの奥寺先輩と出会ったイタリアンレストラン「IL GIARDINO DELLE PAROLE」のモデルとなった店舗です。新宿御苑の大木を望む開放的なガラス張りのフロアと、活気あふれるオープンキッチンは劇中の描写と完全に一致しています。ランチやディナータイムに提供されるパスタやデザートは絶品で、巡礼ファンの憩いの場として親しまれています。
3. 国立新美術館・サロン・ド・テ ロンド(東京都港区六本木)
瀧と奥寺先輩が初めてのデートで訪れた美術館です。逆円錐型の巨大なコンクリート構造物の上に浮かぶカフェ「サロン・ド・テ ロンド」の円形フロアで、二人がケーキとお茶を楽しむカットが印象的に描かれました。黒川紀章設計による近未来的な建築造形を劇中アングルそのままに体感できるスポットです。
4. 信濃町駅前歩道橋(東京都新宿区信濃町)
瀧が三葉に電話をかけようとして繋がらなかった切ないシーンで登場した歩道橋です。JR信濃町駅を出てすぐの場所にあり、背後にドコモタワー(NTTドコモ代代木ビル)を望む構図が特徴です。都会の孤独感や距離感を象徴するロケーションとしてファンの記憶に刻まれています。
5. 瀧が通う東京都立高校のモデル候補(都立神代高校・基町高校のハイブリッド)
瀧が通う東京都内の高校については、校舎の外観や構造に関して複数のモデルが指摘されています。外観や周辺環境の雰囲気としては調布市にある都立神代高校が有力視されている一方、吹き抜け構造の近代的な校舎内部の意匠については広島市の市立基町高校の建築要素が巧みにサンプリングされているという分析が定着しています。なお、学校施設は教育現場であるため、敷地内への無断立ち入りは厳禁であり、外観を遠方から眺める程度に留める必要があります。