『海猿』シリーズの音楽を語る上で欠かせないのが、劇伴音楽を手掛けた作曲家・佐藤直紀氏によるオリジナルサウンドトラックの存在です。映画音楽やアニメ音楽で数多くの名作を手掛けてきた佐藤氏が構築したオーケストレーションは、時に荒れ狂う海の冷酷さを描き、時に立ち向かう潜水士たちの高潔な勇気を描き出しました。
映画本編では、メインテーマをはじめとする劇伴のモチーフが主題歌のイントロやアウトロと絶妙にトーンを揃えるよう計算されており、劇場の音響空間を支配する設計がなされていました。こうした綿密な音響設計があったからこそ、主題歌が単なるエンドロールの添え物にならず、物語のラストシーンから続く「第2のエピローグ」として観客の心に強く刻まれたのです。