知恵袋やコミュニティ掲示板で多く見られるのが、「裾上げテープを使ったら、元の長さに戻したくなった時に接着剤がベタベタに残ってズボンを処分することになった」という悲痛な声です。熱圧着式の裾上げテープは手軽ですが、繊維の奥まで高分子ポリマーが溶け込むため、綺麗に剥離することは困難を極めます。
また、布を切らずに内側に大きく折り込む場合、折り返した生地の重みで裾が不自然にモコモコと膨らんでしまう「裾だまり問題」も発生します。特にスーツのスラックス裾上げにおいて、裾口がもたつくとビジネスシーンでの清潔感が著しく損なわれます。
現場の仕立て職人は、「切らずに綺麗なシルエットを出すための限界は、折り返し幅5cm〜7cm程度まで」と口を揃えます。それ以上長く折り返さざるを得ない場合は、折り返し部分を二段に分散させるか、プロに依頼してカットしてもらうのが生地を美しく魅せる鉄則です。