Q1:アシタカが「そなたは美しい」と言ったとき、サンはどうして動揺したのですか?
A1:サンは人間でありながら山犬として育てられ、人間たちからは「化け物」と忌み嫌われ、自身も人間を激しく憎んでいました。生まれて初めて同族である人間の男性から、恐れられることも蔑まれることもなく、まっすぐに存在を肯定されたため、激しい心理的動揺(認知的葛藤)が生じ、とどめを刺す刃を引くことになりました。
Q2:アシタカ役の声優・松田洋治さんはどのようなディレクションを受けて演じたのですか?
A2:松田洋治氏の証言などによると、宮崎駿監督からは甘い二枚目として演じるのではなく、誠実で嘘のない、まっすぐな青年の声であることが強く求められました。「そなたは美しい」のシーンも、決して愛の告白として囁くのではなく、瀕死の極限状態の中で嘘偽りなく口をついて出た「偽らざる真実」として演じられています。
Q3:キャッチコピー「生きろ。」と劇中のセリフには直接の関係がありますか?
A3:密接にリンクしています。糸井重里氏が宮崎駿監督との対話の中で「この映画の本質は、あらゆる困難の中でそれでも生きることを肯定することだ」と見出し、研ぎ澄ましたコピーが「生きろ。」でした。アシタカのセリフはその思想を劇中で最も端的に具現化したものであり、宣伝と物語の双方が完全に調和した稀有な事例です。