宇宙へ出た人間が青い地球を目撃した瞬間、激しい心理的変容を経験する現象は、宇宙心理学において「オーバービュー・エフェクト(概観効果)」と呼ばれます。国境線のない青い球体が、底知れぬ暗黒の虚空にポツリと浮かぶ姿を直視した宇宙飛行士たちの多くが、地球環境の保護や人類愛への強烈な使命感を抱いて帰還しています。
地上で暮らす一般市民にとっても、SNS等を通じてリアルタイムで配信される深宇宙からの映像は、従来のドキュメンタリーとは一線を画すリアリティを持っています。「画面越しであっても、月の輪郭の向こうに小さく浮かぶ地球を見ると、国家間の紛争や日常の悩みが矮小に思える」といった声が世界的なコミュニティでも多数寄せられています。地球低軌道にある国際宇宙ステーション(ISS)からの視点(高度約400km)と、月軌道からの視点(約38万km彼方)とでは、地球の「孤立感」と「かけがえのなさ」の次元が決定的に異なるのです。