チェーン外れや駆動系トラブルの9割は、定期的な注油と清掃(ドライブトレインのメンテナンス)によって未然に防ぐことができます。油切れを起こしたチェーンは金属同士が直接削り合い、摩耗速度が数倍に跳ね上がります。
日常のメンテナンスで重要なのは、「汚れた上から油を注ぎ足さない」ことです。黒く汚れた油の上から注油すると、油が研磨剤入りのペーストとなってチェーンを急激に削り落とします。まずパーツクリーナーやチェーン専用のディグリーザーを布(ウエス)に吹き付け、チェーンの表面だけでなくコマの隙間に詰まった砂埃をしっかりと拭き取ります。
清掃後、チェーン専用ルブ(潤滑油)を1コマずつピンの連結部に点して浸透させます。数分置いて内部まで浸透したら、表面に残った余分なオイルを乾いた布で徹底的に拭き取ってください。「チェーンの表面がしっとりしている」程度で十分であり、オイルでベタベタな状態は砂埃を吸着させてトラブルの原因になります。走行距離300km〜500kmに1回、あるいは雨の中を走行した直後には、必ずこの洗浄・注油サイクルを行うことが駆動系の寿命を大幅に伸ばす鍵です。