そもそも「米津」という名字や「玄師」という名前は、日本国内にどれほど存在するのでしょうか。名字由来netなどの全国姓名統計データをもとに、その希少性を掘り下げてみましょう。
統計によると、「米津」という名字の全国人数はおよそ10,100人(全国順位は約1,600位前後)と推計されています。日本の人口約1億2,000万人の中で1万人程度しかいないため、日常の学校生活や職場で出会う確率はかなり低い、珍しい部類の苗字と言えます。
地域別の分布を見ると、最も多いのは愛知県(旧三河国碧海郡米津村が発祥とされる一族)ですが、米津玄師さんの出身地である徳島県にも古くからのルーツが存在します。かつての水運の要衝であった「津(港・船着き場)」に、年貢米や交易の「米」が集積した豊かな土地柄が「米津」という地名・姓の語源になったと伝えられています。
一方、下の名前である「玄師(けんし)」の由来はどうでしょうか。仏教や道教の文脈において、「玄」は「奥深く微妙な道理、黒く静かな宇宙の根源(玄妙)」を意味し、「師」は「人々を導く手本、専門の道を極めた者」を指します。実際に唐の時代には「玄師」という尊称で呼ばれた高僧も存在しました。1991年に誕生した我が子に対し、ご両親が「自らの道を深く極め、周囲を導くような人物になってほしい」という願いを込めて命名したであろうことは想像に難くありません。結果として彼は、現代の音楽界を牽引する文字通りの「玄師(マスター)」へと成長を遂げたのです。