発熱外来で抗原検査を受け、「インフルエンザ陰性」「コロナ陰性」と告げられて安堵したものの、数日経っても熱が下がらず咳だけが激化していく――このケースこそ、最も注意を要するパターンです。
臨床の現場では、ウイルス感染症の否定後に以下の病態が進行している事例が多発しています。
第一に、ウイルス感染によって傷ついた気道粘膜に肺炎球菌やインフルエンザ菌(ウイルスではなく細菌)が二次感染を起こす二次性細菌性肺炎です。初期のウイルス検査では原因が特定できず、「風邪の初期」と診断された後に急激に肺内で細菌が増殖します。
第二に、抗原定性検査の対象外となるマイコプラズマ肺炎やクラミドフィラ・ニューモニエによる非定型肺炎です。これらは細胞壁を持たない特殊な病原体であるため、一般的なペニシリン系やセフェム系抗生剤が一切効きません。マクロライド系やレスピラトリーキノロン系の適切な薬剤を選択しなければ、発熱と咳が2週間以上にわたって続き、肺胞破壊を進行させてしまいます。