強風のニュースが流れるたび、決まって名前が挙がる路線が存在します。首都圏の京葉線や武蔵野線、関西の湖西線、そして四国を結ぶ瀬戸大橋線などです。これらの路線がストップしやすい背景には、明確な構造的・地形的要因が存在します。
まずJR京葉線は、東京湾の湾岸エリアをほぼ全線にわたって高架橋で走行しています。ビル群や丘陵地といった遮蔽物が海側に存在しないため、海上から吹き込む突風をまともに側面に受けてしまいます。JR武蔵野線も同様に、高架線区間が多い上に多摩川や江戸川を跨ぐ長大な橋梁があり、川筋に沿って吹き抜けるビルドアップされた風の通り道となっています。
一方、滋賀県の琵琶湖西岸を走るJR湖西線は、比良山地から吹き降ろす強烈な局地風「比良八講荒れ(ひらはっこうあれ)」の直撃を受ける難所です。JR西日本は強風による運休を最小限に抑えるため、大規模な防風柵の設置工事を進めてきたほか、予測モデルを活用した運転規制システムを導入し、突風の「空振り運休」を減らす高度な運用へとシフトしています。
四国と本州を結ぶ瀬戸大橋線に至っては、海面上数十メートルの海上橋梁を通過するため、風速計の数値が跳ね上がりやすい環境にあります。JR四国では利用者の安全と混乱回避を最優先し、快速マリンライナーなどを事前に止める計画運休を積極的に行っています。