『BLEACH』の世界に登場する死神の戦闘技術「鬼道」の中でも、攻撃に特化した破道は一から九十番台まで序列が存在します。その中でも九十番に位置する「黒棺」は、対象を黒い直方体の霊圧の奔流で密閉し、内部に無数の刃の奔流を発生させて八つ裂きにする恐るべき殲滅術です。
作中で初めて黒棺が放たれたのは屍魂界(ソウル・ソサエティ)篇のクライマックス。謀反を起こした藍染惣右介が、立ちはだかる七番隊隊長・狛村左陣に対して放った一撃でした。このときは「詠唱破棄(術の詠唱文を省いて即座に発動する高等技術)」であり、藍染自身の弁によれば本来の三分の一程度の威力しか出ていなかったにもかかわらず、巨躯を誇る狛村を一撃で戦闘不能に追い込み、読者に計り知れない実力差を見せつけました。
そして破面篇において、崩玉と完全に融合した藍染が放ったのが、すべての言霊を紡ぎ上げた「完全詠唱」の黒棺です。時空を歪めるほどの重力潮流を纏ったその一撃は、まさに作中屈指の名シーンとして語り継がれています。