鬼殺隊士をデザインする上で欠かせないのが「全集中の呼吸」の設定です。しかし、「宇宙の呼吸」「光の呼吸」「神の呼吸」といったファンタジー色の強すぎる独自呼吸は、大正時代を舞台とする作品のリアリティラインを容易に破壊します。
原作における呼吸の体系は、始まりの呼吸である「日の呼吸」から、水・炎・風・岩・雷の「基本五流派」へと分岐し、さらに各剣士の身体特性や得物に応じて霞・恋・獣・音・蛇といった派生が生まれています。この系譜を尊重し、「風の呼吸から派生した刃風を用いる呼吸」「水の呼吸の柔軟性を極限まで高めた防御特化の呼吸」など、ルーツを明確に位置づけることが不可欠です。
また、日輪刀の刀身変色についても同様です。刀身の色は使い手の適性呼吸に対応して定まるものであり、理由のない多色グラデーションや、設定にない特殊金属の無秩序な導入は設定崩壊の烙印を押されます。なぜその色に変色したのか、日輪刀の形状が通常の日本刀と異なるのであればどのような戦闘思想によるものなのかをロジカルに説明できるかどうかが、説得力の分かれ目です。