かつてテキスト掲示板「2ちゃんねる」のオカルト板やまとめサイトで語られていた怪異譚が、十数年の時を経て現代のプラットフォームへと流入している。主たる震源地はTikTokとYouTubeショートだ。数十秒の縦型動画の中で、不穏なBGMとともに「検索してはいけない言葉 危険度ランク」を紹介するフォーマットが確立されたことで、休眠状態にあった旧時代のネットロアが大量に再発掘されている。
とりわけ10代から20代前半のユーザー層にとって、テキスト中心のWeb黎明期に生まれた怪談は「未知のレトロホラーコンテンツ」として映る。アルゴリズムは高い完全視聴維持率とコメント欄の議論を検知し、関連動画を一気にフィードへ押し上げる。「ストローおじさん」という奇妙でどこか滑稽な響きを持つフレーズは、ユーザーの認知的不協和を誘い、GoogleやYahoo!の検索窓へと直行させるトリガーとして完璧に機能した。
「タイムラインに流れてきた瞬間、名前のインパクトで思わず調べてしまった」と語る高校生は少なくない。動画クリエイター側も、再生数を稼ぎやすい「閲覧注意」「トラウマ確定」といったハッシュタグを付与し、視聴者の好奇心を極限まで煽る循環が生まれている。