鼻づまりの主たる正体は、鼻水が物理的に詰まっていることだけではありません。多くのケースにおいて、空気の通り道である鼻腔内の粘膜、特に「下鼻甲介(かびこうかい)」と呼ばれる毛細血管が密集した部位が炎症で肥厚し、気道を塞いでいることが直接的な原因です。アレルギー物質やウイルスに反応して血管が拡張すると、スポンジのように粘膜が膨らみ、空気の流れが遮断されます。
脇の下への圧迫がこの腫れを引かせる鍵は、「皮膚圧反射(半身発汗反射)」と呼ばれる自律神経の連動メカニズムにあります。人間の体は、片側の体表(特に脇の下や側胸部)に持続的な圧迫刺激を受けると、その反対側の交感神経が緊張するようにプログラムされています。交感神経が刺激されると、体内ではアドレナリン系統の伝達物質が分泌され、毛細血管を強く収縮させる指令が下ります。
結果として、圧迫した脇と対角線上に位置する鼻腔粘膜の血管が瞬時に収縮します。充血して膨張していた下鼻甲介が縮小し、空気の通り道が急速に開通する仕組みです。この反射は中枢神経系を介して秒単位で作動するため、薬剤の血中濃度上昇を待つことなく「一瞬で通る」感覚を生み出します。