このジャンルが一部の熱狂的愛好家だけのものから国民的認知を獲得した決定打は、大手流通チェーンとのタイアップでした。ローソンとの長期的な商品開発により、チルド麺コーナーに『なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。』監修の冷し肉そばが並ぶようになり、2025年末の『年越し肉そばBOX』では予約開始早々に数千食を完売する実績を打ち立てました。
従来、細く長く生きることを願う縁起物であった「年越し蕎麦」に、濃厚なラー油肉そばを選ぶ若年層が急増した事実は、食の多様化を象徴しています。はなまるうどんをはじめとする大手讃岐うどんチェーンやファミリーレストラン各社も、夏季限定メニューとして「牛肉ラー油ぶっかけ」などを相次いで採用。ラー油を和風出汁に合わせる手法は、もはや異端のゲリラ的レシピではなく、日本の麺類における確立された定番調合法の一つとなりました。