市販のカレールーを激変させるプロの作り方は、具材の切り方と加熱前の下準備から始まります。多くの家庭では肉と野菜を一気に鍋へ放り込んで炒めがちですが、これでは肉の表面から水分が滲み出てパサつき、玉ねぎの甘味も引き出せません。
まずは肉の下処理です。牛肉や豚肉を使う場合、煮込みの30分前に塩を全体重量の0.8%振り、余分なドリップをキッチンペーパーで拭き取ります。フライパンを強火で熱し、表面にしっかりと焼き色をつけることでメイラード反応を起こし、旨味成分を閉じ込めます。このとき出た余分な脂は臭みの原因になるため、鍋に移す前に軽く拭き取るのが鉄則です。
次に取り組むべきが飴色玉ねぎです。玉ねぎ2個分を繊維に逆らって薄切りにし、少量の塩を振って強火で炒めます。水分が抜けて鍋底に茶色い膜が張り始めたら、大さじ1杯の水を加えてヘラでこそげ落とす「デグラッセ(焼き付き落とし)」を3〜4回繰り返します。この工程を踏むことで、通常40分以上かかる飴色玉ねぎがわずか12〜15分で完成し、煮込み全体の甘みと自然なとろみのベースが完成します。